星や星間物質の観測により、銀河や星の誕生・進化を研究するグループです。私たちはこれらの物理プロセスを解き明かすため、電波をはじめとするあらゆる波長の観測データを解析し、星の種である分子雲コアから銀河までの幅広いスケールで理解しようと日々研究しています。 特に、南米チリのアタカマ砂漠に設置した電波望遠鏡NANTEN2を用いて、世界初の高精度の分子雲全天サーベイを行うNASCOプロジェクトを推進しています。観測データの解析によるサイエンス研究だけでなく、望遠鏡の装置や制御ソフトウェアの開発と評価、観測のオペレーションまで、全て自分たちの手で行っています。名古屋大学、岐阜大学、大阪公立大学、国立天文台などの研究機関が連携し、日本とチリから宇宙の解明に臨んでいます。
Our Purpose
星間空間にはさまざまな原子や分子、塵が存在しており、それらが集まって分子雲となり、星が生まれます。炭素や酸素など、生命や私たちの世界を形作るさまざまな物質は、星の中で起こる核融合によって作られ、星の一生の最期に超新星爆発によって再び宇宙空間に放出されます。そしてこれらの元素は次の星形成の材料となります。この数千万年から数百億年という物質のサイクルの中で私たちは生まれたのです。銀河の中で星はどのようにうまれて死ぬのか。それは私たちのルーツを知ることに繋がります。 しかし、そのプロセスは未だ明らかになっていません。時間も空間も非常に大きなスケールで現象を扱う必要があるためです。野辺山45m電波望遠鏡やALMA望遠鏡などの望遠鏡を駆使して、個々の星形成領域で起こる詳細な物理プロセスを解き明かすだけでなく、NANTEN2望遠鏡で空の広い範囲を観測し、銀河スケールで起きるダイナミックな物理現象にも目を向け、星の一生、銀河の進化、そして宇宙の進化の理解を進めています。